現役産業保健師に質問してみた-きっかけ・転職活動・続けていく上でのコツ

産業保健師という働き方に興味はあるけれど、実際にどんな経緯でこの仕事を始めたのか、どうやって転職活動をしたのか、続けていく上で何が大変なのか——そうした「リアルな声」を見聞きする機会はあまりないのではないでしょうか。

今回は、現役で産業保健師として働いているAさん(50代・保健師歴10年)にお話を伺う機会があり、ご本人の許可のもと、その内容を記事にさせていただきます。産業保健師への転職を考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

Aさんのプロフィール、産業保健師になったきっかけ

Aさんはもともと他県で病棟看護師として働いていましたが、ご主人の地元への転勤をきっかけに引っ越しをすることになり、それまで勤めていた病院を退職せざるを得なかったそうです。さらにちょうどその頃、妊娠・出産が重なり、しばらくは子育てに専念する日々が続きました。

転機が訪れたのは、お子さんが少し手離れしてきたタイミングです。「また仕事を再開したい」という気持ちが芽生えたものの、以前のように夜勤を含む病棟勤務に戻ることは現実的に難しいと感じていたそうです。

そこで思い出したのが、大学卒業時に取得していた保健師資格でした。病棟看護師としてもブランクがあり、そこで「保健師として働くのもいいかもしれない」と思い立ったのがきっかけでした。

このエピソードは、産業保健師を志す方の中でも特に多いパターンといえます。結婚や出産・育児といったライフイベントを経て、「夜勤のない、規則正しい働き方がしたい」と思い始めた方が、保健師資格の存在を改めて思い出すというケースは珍しくありません。Aさんもまさにそのひとりでした。

転職活動のリアル——地方での求人探しは「粘り強さ」が肝心

転職活動については、求人紹介会社に相談することから始めたそうです。ただ、地元で探すとなると産業保健師の求人数はそれほど多くなく、さらには産業保健師未経験だったこともあり、すぐに転職できた、というわけではなかったそうです。

それでも粘り強く探し続けた結果、複数社に応募して内定を獲得し、大手企業の子会社への就職が決まりました。

最初の勤務先は自宅からやや離れた支社でしたが、そこで先輩保健師から丁寧に仕事を教えてもらいながら業務に取り組んでいったそうです。経験を積むうちに会社から別の支社への異動を提案され、そこで「独り立ち」する形で産業保健師としてのキャリアを本格的に歩み始めたといいます。

地方では産業保健師の求人数が少ないのは事実ですが、Aさんのように粘り強く探せば道は開けます。まず転職サービスに登録して、担当者に「地元で探したい」と伝えることが第一歩です。

産業保健師を続けていくコツ——支えてくれるのも「人」

産業保健師を10年続けてきたAさんに「続けていく上でのコツ」を伺うと、意外にも「何度も辞めようかと思った」という言葉が返ってきました。産業保健師は、社員一人ひとりの健康や悩みに向き合う仕事である一方、社内の人間関係や立場の難しさに直面することも少なくないそうです。

それでも続けてこられた理由として、Aさんが挙げたのは「人」の存在でした。人事課の担当者のサポートや、先輩保健師への相談が、しんどい時期を乗り越える力になったといいます。

「人間関係で悩むことも多い仕事だけど、支えてくれるのも人。その人たちのおかげでなんとか続けてこれているのかもしれない」とおっしゃっていました。

孤独になりがちな1名体制の職場では特に、社内外に「相談できる相手」を持つことが重要です。社内の人事担当者・産業医との関係を大切にすることはもちろん、社外の保健師ネットワークや研修・学会などを通じて横のつながりを作ることも、長く続けていく上での大切な支えになると思われます。

「辞めようと思ったことは何度もある」というAさんの言葉は、むしろ正直で信頼できる証言だと思います。それでも続けてこられたのは、人との繋がりを大切にしてきたからこそ。これは産業保健師に限らず、どんな仕事にも通じることかもしれませんね。

産業医と二人三脚で、社員に寄り添う仕事

現在のAさんは、産業医と連携しながら、職場で悩みを抱える社員一人ひとりに丁寧に向き合う日々を送っています。

産業保健師と産業医はそれぞれの専門性を持ちながら補い合う関係であり、その連携の質が職場全体の健康管理の質を左右するといっても過言ではありません。Aさんはその最前線で、10年のキャリアを活かして働き続けています。

病棟を離れ、ブランクを経て、地方でゼロから転職活動をして——決して順風満帆ではなかったAさんの歩みは、産業保健師への転職を考えている多くの方にとって、リアルな指針になるのではないかと思います。

産業保健師への転職を考えている方は、まずは求人情報の収集と転職サービスへの登録から始めてみてはいかがでしょうか。MCナースネット[PR]では産業保健師の求人を幅広く取り扱っており、非公開求人への問い合わせや担当者への相談も可能です。Aさんのように、一歩踏み出してみることが、新しいキャリアへの扉を開くきっかけになるかもしれません。

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